質問日:2026/09/30
【林先生の回答】
こんにちは。林則行です。
ご質問頂いた「日経平均ダブルインバース・インデックス(日経ベア2)」の仕組みと価格の決まり方についてお答えしたいと思います。
一つ目、日経ベア2の計算式と価格変動の仕組みになります。
日経ベア2が連動を目指している「日経平均ダブルインバース・インデックス」は、前日の指数値に対して、当日の日経平均株価の変動率(前日比 %)の【マイナス2倍】になるように計算される指数となります。
※ここで言う指数値とは「日経ベア2」の価格になります。
計算式(イメージ)になります。
当日の指数値=前日の指数値×(1-2×日経平均の前日比変動率)
※日経平均の前日比変動率=(当日日経平均-前日日経平均)/前日日経平均
ここで非常に重要な注意点は、マイナス2倍になるのは「あくまで前日比(1日単位)の変動率」という点です。「購入した日の日経平均株価から通算してマイナス2倍になる」わけではありません。
二つ目、なぜ連動がズレるのか(「減価」の仕組み)
日経平均が上昇・下降を繰り返しながら推移(レンジ相場やもみ合い)すると、複利効果によって指数の値が徐々に目減りしていく(減価する)性質があります。
【例:日経平均が10%上がり、翌日に約9.1%下がって元の価格に戻った場合】
・1日目:日経平均 +10% → ベア2倍 -20%(価値は 100→80)
・2日目:日経平均 -9.1%(元に戻る) → ベア2倍 +18.2%(価値は 80×1.182=94.56)
上記例について、具体的な金額で詳細にお伝えすると
・1日目:日経平均が 100円 から 110円 に値上がりしたとします。(+10%)
100円の10%は10円ですので、100円 + 10円 = 110円 となります。
・2日目:110円 から 元の 100円 に戻ったとします。
元の100円に戻すには、10円値下がりする必要があります。
このときの下落率は、値上がりした後の「110円」を基準として計算します。
10円(下げる額) / 110円(現在の価格) = 0.090909... → 約9.09%(約9.1%)
つまり、110円から9.1%下がると元の100円に戻ります。
(110円 × (1 - 0.0909) = 100円)。
次に指数値の動きになります。
日経ベア2の計算では、2日目の「日経平均の前日比 -9.09%」に対してマイナス2倍(+18.18%)が適用されます。
・1日目終了時点のベア2 : 80(100から -20%)
・2日目のベア2の上昇率 : -9.09%×(-2)=+18.18%
・2日目終了時点のベア2 : 80×(1+0.1818)=94.54 (四捨五入の差で約94.56)
このように、日経平均自体は「100円 → 110円 → 100円」と完全に元に戻っているのに対し、ベア2倍は「100 → 80 → 94.56」となり、元の100に戻らず目減り(減価)してしまうことになります。
三つ目、「日経平均が35,000円になった時」の価格試算について
「日経平均が35,000円(現在の66,000円台から約半値)まで暴落した時、日経ベア2はいくらになるか」という点ですが、結論から申しあげると「途中の株価の動き方や経過時間によって価格が大きく変わるため、正確な金額を算出することはできません」。
ケースA(一気に一直線で35,000円まで暴落した場合)
日経平均が約47%下落するため、減価の影響をあまり受けずにベア2倍は大きく上昇すると思われます。
ケースB(数年かけて上下を繰り返しながら35,000円まで下落した場合)
上述した「複利効果による減価(目減り)」が日々蓄積されるため、日経平均が半値になっても、ベア2倍の価格は期待ほど上がらない(あるいは思った以上に低い水準に留まる)可能性が高くなります。
取引する際の留意点としては、長期間保有すればするほど、途中のボラティリティ(値動きの荒さ)によって減価が進行するリスクが高くなる点には十分なご注意が必要です。
また何かあれば、いつでもお寄せになってください。
