お世話になっています。 ちょっと理解ができないので、下記質問させて下さい。 アメリカ財務省が償還までの期間が10年を超える長期国債の買い戻し額を倍増するという 報道が出たことで円高・先物金やプラチナも高くなっていますが、 ・買戻しをする(できる)という事は、そもそも国債を出さなくてもいいのではないかと思うのですが、  やっぱり手元に資金が欲しい為に多めに国債を出しているという事なのでしょうか? ・長期金利と政策金利は別物と思っていました。この件で円高になるという事は日本の国債のほうが  いいと投資家が判断しているからという事なのでしょうか? 以上、よろしくお願いいたします。

質問日:Thu Aug 20


【林先生の回答】

こんにちは、林則行です。

今回のニュース、色々な金利が絡んでややこしく見えますが、本質をつかめば実はとてもシンプルなんです。
いただいた2つの疑問にお答えします。

世間のニュースの理屈と、実際の市場(チャート)にはズレがあります。これを踏まえて解説しましょう。

1. 国債の買い戻し(バイバック)について
「手元に資金が欲しいから多めに国債を出しているのか?」というと、そうではありません。これは国債市場のメンテナンス(流動性の改善)が目的です。
国債は古くなると市場で売買されにくくなります。そこで財務省が自ら古い国債を買い戻して市場に現金を回し、新しくて取引しやすい国債にリフレッシュさせています。

ただし、ここからが重要です。買い戻しをしているからといって、全体の国債発行が減るわけではありません。
むしろ巨額の赤字を埋めるために、買い戻す額をはるかに上回る量の新しい国債を発行しています。
だから、ニュースで言われるように買い戻しがあるから金利が下がるという単純な話にはならないのです。

2. 長期金利と円高のメカニズムについて
ここが投資家にとって一番大事なところです。長期金利と政策金利は別物という落合さんの見方は大正解です。
世間はFRBの政策金利ばかり騒ぎますが、あんなものは後追いの数字です。私たち投資家が見るべきなのは、市場がリアルな評価を下す長期金利(10年金利)のみです。

報道では「買い戻し発表=国債が買われる=長期金利が下がる=円高・金高」という教科書通りの理屈で解説されています。
しかし、実際の米国10年債利回りのチャートを見てみてください。実は金利は下がっておらず、むしろ4.6%付近で高く推移しています。

今回、一時的に円高や金高に振れたのは、日本の国債が評価されたわけではなく、ニュースの見出しに反応した短期的な市場のノイズ(一時的な動き)に過ぎません。
根本的なアメリカの長期金利のトレンドは高いままです。

世間の分かりやすいニュースのストーリーに騙されず、実際の10年金利のチャートを見続けてください。
そこにある事実こそがすべてです。

他にもご質問やご不安なことがございましたら、いつでもお寄せになってください。

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