質問日:2026/10/22
【林先生の回答】
こんにちは。林則行です。
金の現物を売って損が出ても、その損をお給料や年金などの所得から差し引くことはできません。
利益が出たときは、おっしゃるとおりお給料などと合算されて所得税が増えます。
ですが損のほうは、合算の対象にならない決まりになっています。
金地金は税金の世界で『生活に通常必要でない資産』と扱われ、もし売って損が出ても、給与などの他の所得との相殺ができないこととなっています。
「増えた時だけ取られるなんて」と思ってしまいますが、そうでなければ、意図的に脱税のようなこともできてしまいますからね。
ただ、損がまったく使えないわけではありません。
もし同年内(1月〜12月)に別の金を売って利益が出ていれば、その利益から差し引くことはできます。
たとえば、同じ年にこう売ったとします。
・Aの金地金を売って30万円の損
・Bの金地金を売って80万円の利益
この場合は差し引き50万円の利益になります。
そこから特別控除の50万円を引くと、課税される分はゼロになる計算です。
金地金に限らず、貴金属など『生活に通常必要でない資産』の売却益があれば、そちらと相殺することはできます。
反対に、その年に他の売却益がなければ、損はそこで終わりです。翌年以降に持ち越すこともできません。
ちなみに、ご存じでいらっしゃるかもしれませんが、もし「金のETF」であれば税金上の扱いが異なります。
ETFの損は同じ年の株やETFの利益から差し引くことができ、もし相殺しきれない損失があれば、翌年以降に持ち越すことができます。
とはいえやはり給与など、「株やETF以外の所得」とは相殺できませんので、その点は地金と共通です。
他にもご質問がございましたら、お寄せになってください。
