質問日:2026/09/16
【林先生の回答】
こんにちは。林則行です。
さて金を「お子さんやお孫さんのものにする方法」と、税金関係のお話と、2つに分けて考えていきましょう。
まずは金を、自分以外の人に渡す方法ですが、実は法律上は「はい、あげます」「じゃあ、もらいます」とお互いの意思さえあれば成り立ちます。
でもそれだと記録が残らないですし、「もらった」と言っているのに元の持ち主が保管していたりすると、「実際にはあげてないよね」とみなされてしまう可能性があります。
そこで「名実ともに」受け手のものにすることが大切です。
贈与契約書のようなものを作って、「あげた・もらった」の両方の意思を証拠として残し、さらに実際にもらった人の管理下におくわけですね。
この「名実ともに」が大事な部分で、仮に購入時は「お孫さんの名前で」金を買ったとしても、もしそれを別の人が管理していたら「本当に孫に贈与したのか」と問われかねないわけです。
ここで田中貴金属の場合、お子さんやお孫さんの名義で、金の購入・預かり口座を作ることができます。
買った金を、そのままお子さんお孫さんの名義で口座で保管してもらうことができます。
「名実ともに」渡す手段の1つとして、一緒にお店に行って買うのはとてもいい方法ではないかと思いますよ。
一緒にお店に行っていることも、本人の「受け取る意思」の1つの証明になりそうですね。
仮にお孫さんが未成年であっても、親権者が代理で手続きすれば問題なく可能です。
ここまでは「人にあげる方法」のお話でしたが、ここから税金面のお話をしていきます。
税務上は、購入時の名義をお子さん・お孫さんにしたとしても、それは「あなたからの贈与」と判断されるでしょう。
年間110万円を超えれば贈与税の対象になります。
その時に気をつけなければいけないのは、贈与税の申告も実際に税金を払うことも、あげた人ではなく「もらった人」がするという点です。
つまりあなたではなく、お子さんやお孫さんご自身の手続きになります。もちろんお孫さんがもし未成年なら、親権者である親が代わりですけどね。
毎年のことになれば慣れてこられると思いますし、贈与が原因で扶養から外れるとか、他の税金が高くなるといったことも起きません。
ただ税金を払うことまで想定して、あげる金額を考慮することは必要です。
それでもあえて毎年110万円を少し超える金額を渡して、贈与税を払っておく形は、どちらかというと安全な方法の1つです。
何が安全かというと、最初にお伝えしたとおり、贈与は「あげる」と「もらう」の両方の意思で成り立ちます。
もし何年も贈与を続けたつもりが、後から「実は贈与が成立していない」と判断されてしまうと、後から全額まとめて贈与税や相続税の対象となってしまう可能性があるんです。
「あえて110万円以上贈与する」方法は、「あげた」記録と「もらった」記録と、相応の納税もしているという記録を客観的に残せます。
いつか「後からまとめて」課税されてしまうリスクを下げる方法として、これは有効な手立てです。
ですが、これでも避けきれない問題が、「相続財産への足し戻し」というものです。
お孫さんの場合は良いんですが、お子さんの場合少し気をつける必要があります。
たとえば毎年120万円を3年間贈与して、はみ出た10万円に相当する贈与税を、ちゃんと毎年払ったとしますよね。
ところが3年後にもしあなたがお亡くなりになったとき、「ここ3年の贈与で受け取った360万円は、相続とみなして、相続税の計算に加えますね」と判断されてしまうんです。
お孫さんへの贈与であれば、他に相続財産が何もなければこの「持ち戻し」は発生しないので、あえてお孫さんに多く贈与するのは「いつか発生する親の相続税を軽くする」方法として有効です。
さて税金のことも考えだすと、このように気をつけた方がいいことが色々と出てきます。
そこで税金よりも先に、一番に考えていただきたいのは、先々のことも考慮した全体設計なんです。
財産全体のうちどのくらいを、何のために、いつまでに、誰に渡すか。
先にここを考えてみていただいて、それに合った制度や渡し方を考えていただく方が、結果的にうまくいくかもしれません。
あなたのご資産全体や、ご家族構成なども大事になってきますから、実際に贈与する前には税理士とも話していただくといいですね。
