質問日:Thu Aug 20
【林先生の回答】
こんにちは、林則行です。
わかりやすいので、先に金と不動産の両方に共通するデメリットからいきましょう。
相続と生前贈与で比べると、通常は生前贈与の方が税金がずっと大きくなることが多いです。
相続の場合、税金がかからない金額が、最小でも「3600万円」もあります。
ところが贈与の場合、1年あたり「110万円」しかありません。
これらを超えた分が課税対象となりますが、
たとえば超えた額がどちらも「1200万円」だった場合、相続税の税率は15%ですが、贈与税の税率はなんと40%です。
これをある程度解消して贈与できるのが「相続時清算課税制度」です。
贈与税を払わなくて済む代わりに、将来的に相続税として税金を払うことになります。
ではここから、金と不動産で分けて考えていきましょう。
実は金と不動産では「向き不向き」が結構違います。
まず金についてです。
メリットは大きく2つあります。
1つ目は、値上がりする前の低い価格で渡せること。贈与税は渡した時点の時価で決まりますから、先々値上がりしても、その分は受け取った側の財産になります。
2つ目は、量を細かく分けて渡せること。年間110万円の枠に収まるよう、少量ずつ・年をまたいで、といった調整がしやすいです。
デメリットは、受け取った方が将来売る時の税金です。
取得時期と取得金額はもとの購入時のものを引き継ぎますので、値上がり分の税負担も一緒に引き継ぐことになります。
ここは相続でも同様ですけどね。
また、いつ・誰に・何gを渡したか、不動産と比べて客観的な記録が残りにくい点も注意が必要です。
贈与契約書を作り、さらに購入時の書類なども必ずセットで保管なさることが大切です。
さらにせっかく年を分けて110万円以内で贈与しても、3〜7年以内に亡くなられた場合には、まとめて相続財産に入れて計算されるというデメリットもあります。
次に不動産です。
メリットは、家賃収入がある物件なら、その後の収入がまるごと受け取れることです。
相続財産がそれ以上増えていかない効果があります。
一方でデメリットは、金より大きいです。
名義を変えるだけで登録免許税と不動産取得税がかかり、これが相続の場合より高くつきます。
さらに、土地の評価を大きく下げられる「小規模宅地等の特例」というものがありますが、生前贈与では使えません。
実際に動かれる前には、最寄りの税務署や税理士さんにもご確認くださいね。
迷うことが出てきたら、いつでもご相談ください。
