今、ネット上で、1980年から2年半にわたる金の大暴落と現在の状況がとても似ていると、話題になってます。 当時は、イラン戦争からの石油高騰、そして金の大暴落、そしてこの時は、金価格が、6割以上下げました。 当時と現在との違いを教えていただけると嬉しいです

質問日:Fri Jun 26


【林先生の回答】

こんにちは。林則行です。

あなたがおっしゃってるように、この1980年の1月に金価格は850ドルを付けて、そこから2年ぐらいかな、300ドルまで下げました。
その後、この850ドルを抜くのに28年かかりました。
だいたいの期間は、この300ドル台、400ドル台を行ったり来たりしたんです。

なぜこういうことが起きたかというと、当然需要と供給に理由があります。
まず供給側が大きいです。
その前をまず見てほしいんですけれど、その前の1年、ここで価格が4倍になりました。
1年で4倍というのはすごいんですよ。
ですからこれ4倍になったので、当然鉱山会社は一生懸命掘り出したんですよね。
値段が上がるわけですから、それで値段が上がるから、これたくさん掘り出したら、当然量が増えます。
量が増えてきたから、価格が下がるという効果がありました。

今度買い手の方ですけれど、買い手の方は当然買い控えが少し起き始めてしまったわけですよね。
これなぜかというと、その時に金利が下落基調になってきたわけですね。
金利が下落基調というのは1981年が一番高かったんですが、この時15%あったんですよね。
15ってすごいでしょ。
今金利のある世界とか言っているけれど、1%とか2%じゃないですか。
それが15%もあったんですよね。
これが毎年ずっと下げてきました。

毎年下げてきたというのは何を言っているかというと、お金に対する信用がまだ強かった時代ということですよ。
今と全然状況が違うということですよね。
だから投資先が他にもいろいろあったわけです。
そういう時代ですから、当然株式も上がりました。
こういうところにみんなが投資をしていったわけです。
債券にもたくさん投資をしていったわけです。

今はどういう状況になっているかというと、これそれぞれが若干違います。
特に大きいのが、買い手の方ですね。
こちらが非常に状況が変わっています。
買い手が今一番恐れているのはデフォルトですよね。
米国がデフォルトするんじゃないかということで、中央銀行がたくさん買っています。
2020年からご存知だと思いますが、債券価格がずっと上昇に転じております。
これは1981年さっき出てきた15%から2020年にはマイナス金利になった頃ですよ。
ここまでずっと金利が下げてきたんですよね。
つまり債券の信用性が高かったということです。

だって考えてみたらわかるじゃないですか。
マイナス金利ってひどいですよ。
10年買ったと、買ったら最後はマイナスなんですよっていうわけですよ。
マイナスなやつをどうして買います?
最低ゼロですよね。
マイナスになったら僕は買うのやだね。
それが言うことがまかり通ったのは、いわゆる債券に対する信用性が強かったからですね。
それが崩れ始めたのが2020年ですね。

そこから金利が上がり始めていますが、これはもちろん物価上昇というのもありますけど、裏には通貨に対する信用が薄れているということで、
と同時にやはり中央銀行もたくさん金を買うようになっています。
これは過去にはなかったことです。
1980年代には中央銀行が金をたくさん買っていたという事実はないです。
ここが一番大きいところですよね。

今度は生産のほうでございますけれど、当然鉱山会社は一生懸命生産を始めています。
新しい鉱山を開こうとしています。
ですからこれは数年経てば必ず開いてはきます。
ですからこれはいわゆる価格の下がる方向に動きますけれども、今のところはほとんど開いてないんですよね。
これ時間がかかります。
どうしても鉱山ですから時間がかかるんですよね。
それが分かっていて鉱山会社は今売りポジションをすごく絞っている、こういうことなんですよね。

だから状況は結構違います。
僕の予想はここから大きな上昇があって、その上昇の後1981年の天井をつけたような相場がやってきて、金は長い間のお休みに入るとこのように考えているということです。

ということでご理解いただけましたでしょうか。
他にもまたご質問があるようでございましたらお寄せになってください。

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